IMPRESIONES IN TIMAS/FRDERICO MOMPOU

突然、あの不思議な曲が弾きたくなった…
モンポウの「内なる印象」の第8曲「秘密」。”SECRETO”。

先日、ベートーヴェンは3回も同じ音型を繰り返すなんて書いたばかりだが、この曲も3回も同じ旋律を繰り返すのだ。そう、歌で言うとスリーコーラスも!だから、それぞれに表現の変化を付けて演奏する。

初めて「秘密」を聴いたのは、熊本マリさんのCDで。なんだろう、この不思議で哀しい響きはと思った。その魅力的な旋律が3回も繰り返されるのだから、あっという間に虜になった。

「内なる印象」は全9曲だが、短くシンプルなので一気に弾いてしまえる曲集。とても久しぶりに弾いてみると、ピアノが「懐かしい~♪」と喜んでいるのだ。待ってたよって。シンプルだけれど、秘めやかな美しい世界に彷徨い込んでしまいます。だから、今日は予定していた はじめさんのレッスンも無くなった。ウクレレに夢中になっていたからに違いないのだと思うが、私が没頭して弾いていたので遠慮したのだそう…。

10歳の熊本マリさんは、アリシア・デ・ラローチャがいつもリサイタルのアンコールで弾くあの曲はいったい誰の曲だろう?と思ったそうです。そして、7,8年も経ってようやくラローチャに尋ねたのだそうです。

モンポウ自身が演奏している「Mompou Plays Monpou」を随分前に手に入れました。
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HPを調べたら、1999年に鎌倉でラローチャを聴いた記録がありました。やはりアンコールで「秘密」が演奏されました。

1999/06/06 Sun.
アリシア・デ・ラローチャ ピアノリサイタル
場所:鎌倉芸術館 大ホール
ピアノ:アリシア・デ・ラローチャ

今年76歳になるラローチャですが、ハイヒールを履きブルーのドレスで颯爽とステージに現れ、全く年齢を感じさせない落ち着いた深みのある演奏を聴くことができました。 CDでグラナドスの「ゴイェスカス」を聴いてからラローチャの大ファンになりました。コンサートは’95 ’97に続き3度目です。 プログラムは前半がショパン、後半がスペインものでした。ショパンの「ノクターン第9番」ではピアノに語りかけるように歌い、「子守歌」は涙が出る程の美しいピアニッシモに包まれました。「舟歌」では冒頭の音が一番印象に残っていますが、深い情景と孤独を感じました。「幻想ポロネーズ」はショパンの祖国ポーランドのリズムにもとづいて、ノスタルジーであり、憧れと悲しみのドラマが展開されていきました。前半のショパンの聴きごたえのあったこと!しかも、なんて楽に弾くのでしょう!後半のスペインの部に入ると一転してリズミカルな動きで、スペイン音楽特有の細かい3連符のリズムを軽やかに躍っているような演奏に釘付けになりました。アンコールはモンポウの「秘密」でした。ラローチャによる「秘密」はホロヴィッツが「トロイメライ」を弾くような貴重なものだと私は思います。生演奏を聴けたことに大感謝でした。今回のリサイタルはホールの音響が素晴らしかったこともあり、ラローチャの音楽を堪能できました。これからも、お元気でコンサート活動を続けてくださることをお祈りしたいと思います。

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