結婚祝いにと、はじめさんの元職場のMさんから
私たちの肖像画をプレゼントして頂いた事があった。
その絵は、もちろん今も大切に飾ってある。
不思議な事に、絵の中の自分は、もう何年も前の自分なのに
今の自分よりも少し大人びているような感じがする。
きっと、気を利かせて描いて下さったのだろう。
ところが、教室の子供たちが年に1度の「お弾き初め会」が行われる時、
2階の廊下に飾ってあるこの絵を見ると、ヒソヒソと「先生の若い頃の絵だ」と
言っているのだそうだ。(^^;
当初は、この絵を見て、「よく特徴を捉えている。凄い!」
「そっくり!」「・・・、あまり似ていない」など、見る人によって
色々な感想があって、それはそれで興味深かった。
私はというと、最初にこの絵を遠くから見た時、
大きく引き伸ばした写真だと勘違いしたほどだった。
近づいて見ると、それは写真ではなく絵だった。
肖像画をプレゼントして下さったMさんとは色々な縁を感じた。
同じ余市生まれの同い年、血液型も同じ。
東京から来たばかりの頃のはじめさんは、北海道弁にうるさいほど反応した。
ゴミを捨てることを、こちらでは「投げる」と言うのだが、うっかり言うとゴミが飛んできた!
「手袋をはく」というのも、靴下じゃないのに履くなんておかしいと言う。
また何か他の北海道弁を言うと、何という意味なのかと知りたがり
「今度Mさんに聞こう」というのが口癖だった。
物静かな口調で静かにお酒を飲むスタイルが好きで、Mさんとは時々一緒に飲んだ。
そんな人柄のお父様が、頑固親父で怒ると「ちゃぶ台」をひっくり返すというのだから、
可笑しくて、可笑しくて。その頑固親父殿とは一度だけしか会ったことがない。
もう何年も前の事だ。その頑固親父殿が突然亡くなったと知らせがあった。
悲しい席での再会。あまりにも唐突だったので、実感が無いとの事だった。
はじめさんは若い時に母を亡くしたが、あまりにも突然で涙も出なかったと言う。
悲しみは後からどっと押し寄せてくるのだろう…..。
絵には描いた人の魂が宿っている。
私たちの肖像画は、私たちが歳を重ねても、その時を生き続ける。
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