変ロ長調の瞑想

テンペストの第2楽章は、激しい第1楽章とアルペジオが華麗な第3楽章に
挟まれて、瞑想的な雰囲気を醸し出している。
しかし、たった4ページなのに、アダージョのテンポで弾くから
どちらの楽章よりも演奏時間が長いのだ。
巨匠たちの演奏は8分半~9分弱。
このテンポで弾くのは私にはちょっとかったるく、6分代で演奏するのだが、
そうすると太鼓を彷彿させる3連符のリズムを正確に演奏するのが大変で、
しかも交差して高音を弾くのは至難の業。
そして、交差して16分音符で弾く箇所は相当な速さのテンポになるのだ。
全楽章を弾くと約20分位になると思う。

昨日と今日で、この難解な第2楽章のみを演奏した。
本当は第1楽章と続けて弾きたかったのだが、そうすると余計に
第2楽章を速く弾きたい衝動に駆られて雑な演奏になってしまうのでやめた。
リストやラヴェルなどの音楽に比べて、音は大変シンプルだが、それがかえって難しい。
ベートーヴェン特有の哲学がある。巨匠たちの演奏は、とてつもなく深い。
自分で所有しておきながら、リヒテルが弾いているCDがあるのを
すっかり忘れていた。
はじめさんに言われて探してみると、確かに持っていた。(^^;
シューマンの「ファンタジー」を弾いた時に買ったCDで、
「テンペスト」の方は聴いていなかったのだと思う。
リヒテルの演奏が、とても参考になった。ペダルは少な目。
楽譜に忠実でありながら小気味良いテンポで、装飾音も美しい。
やめておけば良かったのに、寝る前にグランタッチでも練習したらコントロールが大変で
気がついたら明け方になっていた。(^^;

多分、この楽章を理解して演奏できるのはもっと先なのだと思う。
今回はパスしてショパンのノクターン遺作に変更しようとも思ったのだが、
次に繋げるためにも弾く事にした。
小さい子には難しすぎると思ったので、眠くなったら目を瞑って寝ても良いからと伝えると
静かに聴いてくれた。少し大きい子は、かなり真剣に聴いてくれた。
連続演奏をするには、次に繋げる曲を考えて弾かなくちゃならないのだが
次は24番の「テレーゼ」あたりかな。中3の時に受けたレッスンが中途のままだ。

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