丁寧に、そして熱い演奏

今月の課題曲は「テンペスト」第3楽章。
若かりし頃は、ただ良い曲だなぁと思いながら聴いたり弾いたりしていたが、
ベートーヴェンが自殺をしようとまで苦悩していた時期の作品。
死後発見された有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」。
ハイリゲンシュタットはウィーン郊外の小さな街。
学生の時に訪れた事がある。ベートーヴェンハウスがいくつもあって夢中になって探した。
正直なところ若い頃は、難聴で苦悩しながら、しかし、それを乗り越えて
更に傑作を書くという、こんな偉大な音楽家を思いながら演奏した事はなかった…。

第2楽章の懐の広さみたいなものに触れて、続く第3楽章は再びドラマティック。
流麗で激しく、そして、まるで自問自答しているかのように繰り返される音型。
魂が彷徨っているようなパッセージが織り込まれ、不思議な感覚に陥る。
8分の3拍子だがアレグレットなので、それほど速くはないと思うのだが走りがちになる。
繰り返し演奏する短い音型を丁寧に弾こうとしたら、速いテンポでは説得力に欠けてしまう。
バレンボイムは、ゆっくり雄弁に演奏している。
オーケストレーションを感じる多彩な音色に改めて感服。
一音一音よく響きを聴いて、丁寧に、そして、熱い演奏が出来たらと思う。

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