メトロノーム

ドビュッシーの「ダンス」のスコアには付点四分音符144と指示がある。
一定のテンポで弾けなくては踊れないので、メトロノームを使って練習しているが、
この曲は8分の6拍子だから2拍子でカウントしていても、
シンコペーションが出てきて3拍子になるので、非常に難しい。
こんなにテンポの取りにくい曲も珍しい。
さんざん悩んだ挙句、1小節単位で取るようにしてみた。
これは正解だった。144だったら1小節72のテンポになるが、
相当速いので、50くらいで練習を重ねてみると、だいぶ安定してきた。

ワッツの演奏を聴いてみたら、指示通りに弾いている。
オペラシティではプログラムの最後に持ってきていた。小品だがオーケストレーションを
感じるスケールの大きな演奏だった。手が大きいので、オクターブの連打もらくらく。
まるで遊んでいるように演奏している姿がなんともいえない。
あんな風に弾けたら楽しいだろうなぁ。

生徒さんの中にはメトロノームが置物になっている人もいるようだ。
実際使ってみると、こんなに頼もしい味方はいない。
例えば、4分の4拍子の曲でテンポが速くころんでしまうときなどは、
4分音符ではなく、8分音符に合わせてメトロノームと合わせるなど工夫すると
効果的なのでお勧めです。

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