ペダルの魅力

昨日は慌しい1日だった。
午前中に歯医者へ行く前に大人の生徒さんのレッスンをして、
歯医者の後、確定申告を済ませてきた。
1年分の領収書を整理して、一気に書類に書いていく。
この作業は今まで2日に分けて行ったことがない。そして、速やかに申告する。

午後は体験レッスン。
大人の生徒さんのお子さんで、別の教室に小さい頃から通っているのだが、
最近は全く弾かなくなった事で、お母さんから相談されていた。
妹さんの方が先に体験レッスンを受けるのかと思っていたが、
お母さんに「習っている教室に行ってみない?」と誘われ、「いいよ」と返事をしたのだそうだ。
ただし、お母さんと妹さんは聴かないという条件で。(^^;
何か弾いてみてと催促したが、以前の曲は覚えていないし、いま習っている曲も
難しくて弾けないという。事情は聞いていたので、どんな風に弾けないのか教えてと促し、
弾いてもらったのだが、思ったとおり、楽譜が読めていない。
冒頭にはP(ピアノ)と書いてあるけれど、意味は?と聞くと習っていないという。本当!?
スラーは知っているようだったが、ブツブツと音が切れていた。曲のタイトルからの
イメージを全く持たないまま弾いている。
「でも、ピアノは好きだし、歌も好きだよ」と笑顔でいう。

ピアノの美しい響きにペダルの効果は欠かせない。
ペダルを使って、最高音から一気にグリッサンドで降りてきて、最低音で和音を鳴らす。
体験レッスンでよくやる「滝」。それを黒鍵と白鍵で響きの違いを聴いてもらう。
びっくりしているうちに、「はい、やってみて!」「えっ?」
しかし、いともたやすく出来るのだ。そして、次の瞬間「決まった!」と言っていた。
何年もピアノを習っているのに、ペダルを踏まないレッスンは悲しいと思う。
次は、お母さんが憧れている曲、ショパンのノクターン2番で実験。
まず、ペダルを踏まないで弾く。そして、ペダルを踏んで違いを聴いてもらった。
驚いた事に「本物みたい。きれい!」と言ったのだ。
「ピアノが好きなら、お母さんのように上手になるよ。基礎をちゃんとやろうね。」と言うと
元気良く「うん!」と答えてくれた。用意していた楽譜も気に入ったようで、
やる気満々でいますと、後でお母さんから伺った。
私も引き受けたからには、しっかり応えようと思う。

今日は3台のピアノの調律。冬は暖房の関係で狂いやすい。
調律後は気持ち良く弾けるので、リビングのアップライトの調律中に早速弾かせてもらうのだ。
24番「テレーゼ」。DVDでバレンボイムの演奏を聴いた。
第1楽章は優雅で深みのある音。叙情的で美しい。風変わりな第2楽章も
バレンボイムの手にかかると、まるで魔法のよう。快速で小気味が良く、
面白いし、カッコイイではないか。
上手い人が弾くと、信じられない程、簡単そうにみえる。凄い。

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