バレンボイムによる演奏と解説の貴重な映像をはじめさんがネットで入手してくれた。ドビュッシーの前奏曲集第1巻のDVDが出ている事は知らなかった。定価5,700円だが、1,700円代の中古品をアマゾンで見つけたのだそうだ。私なら定価でも即購入していただろう。
バレンボイムが、ドビュッシーの前奏曲第1巻を素材として、ドビュッシーの人と音楽を解説。ドビュッシーの微妙な音の色合いの秘密を解き明かすバレンボイムの演奏は相変わらず素晴らしい。また、ストラヴィンスキーやサティなどが登場してドビュッシーの魅力を語っている。
はじめさんは、ドビュッシーにおいてはミケランジェリの方が好きだと言う。
ん、私もミケランジェリのドビュッシーは神がかりだと思う。
実は、ミケランジェリとバレンボイムには、こんな出会いがあったのだという事を
「バレンボイム音楽論」を読んで知った。
バレンボイムは13歳の時、ローマのアカデミーでベートーヴェンの32番のソナタを
演奏し、賛成票が9票で反対票が1票あったのだそうだが、
審査員のひとりだったミケランジェリが唯一反対票を入れたのだという事を
数年後にミケランジェリに教えてもらったとか。
その理由は、「あんな曲を前にすると子供には何から手をつけていいかわからないから」
というものだったそうな。ミケランジェリの人間像はよく解らないけれど、
なんとなくミケランジェリらしいなと思った。
幼少の頃から多くの経験を積んで、歳を重ね益々磨きをかけてきた
バレンボイムの音楽は、雄弁で美しい。
光と影が創り出すドビュッシーの傑作、前奏曲集。
1曲1曲のタイトルも詩的で幻想へと誘われる。
いつか全曲演奏に挑戦したいと思っている魅力的な作品。
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