長時間、ガムシャラに弾いていると筋肉の疲労から腱鞘炎、または他のトラブルを引き起こしかねないので、練習には注意している。私の場合は、手が小さくオクターブの連続で疲れるので(大抵は左手)、親指にビリッときたら、そこまでとしている。
リストやラヴェルの曲は和音を含むオクターブの連続が多いので長時間の練習は厳しい。しかし、何もピアノを弾くだけが練習ではないと、日頃、さんざん生徒さんに言っているので、私自身も楽譜をよく読んだり、色々なピアニストの弾き方を研究したり、ウォーキングしながら頭の中で楽譜を最後まで描くようなイメージトレーニングをするようにしている。
それでも人前での演奏は、普段の事をどれだけ出来るかどうかが問題なわけで、出来るだけ完成度を上げておかなければ、まともな演奏は出来ないと思う。ピアニストの方々はリサイタルのたびに、どれだけ神経をすり減らすのだろう。
巷で話題のヴァン・クライバーン コンクールで優勝した全盲ピアニスト辻井 伸行さんは、「緊張するより、演奏するのが楽しくて仕方ない」と語っていました。指導にあたっているピアニストの横山 幸雄さんも、「普通なら神経が参るような過酷なコンクールなのに、彼の場合は、むしろ楽しんでいるようだ」と驚いていました。
ソロリサイタルの最後に弾いた曲が、リストのハンガリー狂詩曲第2番。コーダの前にカデンツァを入れない演奏でした。まるで点字で文章を読むように、彼の手は的確に音から音へと無駄なく動く。スムーズでアグレッシブな演奏。しかし、ラクに弾くなぁ….
子供の頃、先生によく「目を瞑っても弾けるように」と言われた事を思い出す。
有森 博さんのロシアものの中に、カデンツァ ラフマニノフ編の2番が入っていた。生でも聴いているけれど、かなり個性的な演奏で、最初「同じ曲!?」と思った程、軽やか。ライナーノートには、演奏を彷彿させるようなコメントが書いてあり、なるほど~と思った。
重々しく、派手な演奏が多い中、有森 博さんの演奏は音が綺麗で、聴いていてホッとするような美音。コンサートでは、もの凄い汗をかくためか前半と後半で衣装が変わるのも楽しいピアニスト。私もウォーキングするようになってから、汗をかきやすくなり練習の時は、「タオル大好き」やさんのタオルを愛用している。
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