読書の時間

子供の頃は本を読むのが好きで、お昼休みや放課後に図書室へ行くのが日課だった。
最初はSFものを次第に純文学へと好みが変わっていった。

大晦日のレッスンの事。
遠方から通っている小6のSちゃんは、いつもレッスンバックに漫画本を入れている。
はじめさんは「漫画を読む子は本を読まない」と断言していたが、そうではない。
練習中の曲の解説文を音読してもらって驚いた。もの凄い早口でスラスラ読むのだ。
それにしても解説文って、どうして堅苦しく、難しい文章が多いのだろう。
先生方は読まれるのだろうか?ましてや生徒さんは絶対読まないのではないかと思ってしまう。
文章の中に「~当時、漸次一般化してきた演奏法と一致している~」という箇所があり、
読み終えてから「ざんじで合ってたかな?」と聞かれた。
正しくは「ぜんじ」だけれど、暫時と漸次は微妙に違う。
「暫時」は、しばらく。「漸次」は、しだいにという意味なのだそうだ。
勉強にはなったけれど、解説文はもう少し分かりやすい方が生徒さんも参考にして読むのではないかと思う。
Sちゃんは、速読が得意で分厚い本でも1日で読破してしまうらしい。
私は、「文章を味わって読むのが好きなので、マイペースでゆっくりと楽しむのが好きなのよね」。
などと会話したが、Sちゃんはピアノを弾くより目を輝かせ「へぇ~」と嬉そうに、
そして、「私は、質より量」と語った。
「ピアノもそれくらい熱い演奏をしてくれたら良いのにね」と言うとへへへと笑った。

最近は、小説を読まなくなった….
一時期は図書館へ足を運んでいたが、だんだん本を読む余裕がない生活になっている。
今年は小説が読める、ゆとりのある生活をしたいものだ。

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