及川浩治 ピアノ・リサイタル

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2016年12月18日(日)
札幌コンサートホールKitara大ホール

Program

●J.S.バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ ニ短調BWV1004より

●ショパン:ラルゲット(ピアノ協奏曲第番Op.21より第2楽章)

練習曲《別れの曲》ホ長調Op.10-3

●リスト(ブゾーニ編):ラ・カンパネラ 嬰ト短調

愛の夢 第3番 変イ長調

メフィストワルツ第1番

intermission

●ドビュッシー:月の光

アルペッジョのための練習曲
(組み合わされたアルペッジョのための)

●ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

ラ・ヴァルス

●ラフマニノフ:前奏曲《鐘》嬰ハ短調Op.3-2

(コチシュ編):ヴォカリーズ嬰ハ短調Op.34-14

クライスラー(ラフマニノフ編):愛の喜び

練習曲《音の絵》ニ長調Op.39-9

Encore

●プーランク:エデット・ピアフへのオマージュ

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デビュー21年めのスペシャルプログラムとの事ですが、本当に聴き応えのあるスペシャルなプログラムだと思いました。体調が悪く、いつになくしっかり睡眠時間をとったはずなのに、昼食の後に飲んだ薬がとても眠気を催して、前半は心地良い音に癒やされていました。はじめさんは、2曲めのショパンの《ラルゲット》が気に入ったようで《子守唄》に似ていると言っていました。以前は及川さん演奏の《子守唄》を聴いて眠りについていたようですが、今度は《ラルゲット》も加えたいそうです。私は前半のリストの《メフィストワルツ第1番》がお目当てでした。全体の流れも大好きですが、特に後半の爆発するような狂気乱舞がワクワクします。跳躍しながらのパッセージが若干音が薄かったように感じましたが、素晴らしい演奏で目が覚めました!

後半はドビュッシーから。2曲めのアルペッジョのための練習曲が演奏される機会は少ないですよね。最晩年の作品だという事ですが、練習曲とは思えない素敵な作品です。ラヴェルは勉強中なので、とても嬉しかったです。《亡き王女のためのパヴァーヌ》は、いつ聴いても良い曲だなぁと思います。そして、《ラ・ヴァルス》はいつ聴いてもゴージャスな曲です。バッハから始まって最後はラフマニノフの登場。Kitaraの大ホールに《鐘》の音が轟いて、美しいヴォカリーズへ。うっとりと聴き入りました。次はクライスラーの名曲《愛の喜び》。どちらかというと《愛の悲しみ》の方が好きで、何度かチャレンジしていますがラフマニノフ編は難しいです。どちらもお洒落でゴージャスな曲ですね。プログラムの最後は《音の絵》ニ長調。ラフマニノフが「東洋の行進曲」と称したこの作品は締めくくりにふさわしい演奏効果の高い華やかな曲でした。

これだけの演奏の後なので流石にEncoreは1曲でしたが、プーランクの《エデット・ピアフへのオマージュ》は印象に残る曲で弾いてみたいなぁと思いました。それにしても、1曲1曲は小品といえるかも知れませんが、これだけの曲を素敵に演奏するピアニストは改めて凄いなぁと思いました。今年も素晴らしい演奏をありがとうございました。

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