ピアニスト ユジャ・ワン

すごいものを見てしまった。
2008年にスイスのヴェルビエ音楽祭の行われたピアノリサイタルが
TV放送されたのだが、昨夜ようやっと、腰を据えて見た(聴いた)。
はじめさんが録画しておいてくれたものだが、だいぶ前に少しだけ冒頭の方を
聴いて、あぁ、これはゆっくりと見たいと思っていたのだった。

ユジャ・ワン。初めて聞く名前。
プログラムの最初にリストのロ短調ソナタ。
20代の若い女性ピアニストが、どんな演奏をするのだろうと思ったが
切れのある演奏で、思い切り好みのピアニストだ。
あまりの激しさにスタミナが持つのかと思いつつ、途中からそんな事を忘れて
聴き入ってしまった。
ロ短調ソナタは、悪魔的な激しさあり、甘美で美しいメロディも盛りだくさんで
壮大なドラマが繰り広げられていく大曲だが、いやぁ素晴らしかった!
余韻に浸っていたかったのに、この大曲の後にすぐ弾き始めたのだ!
「くまばちは飛ぶ」。そう、リムスキー・コルサコフの名曲をシフラがアレンジした曲。
このアレンジものは初めて聴いたが、超絶技巧を見せつけるにはうってつけの曲。
最初っから、こんなに飛ばすピアニストって珍しい。相当な自信家なのだろう。
赤のドレスに着替えて、後半はスクリャービンのピアノソナタ「幻想ソナタ」と
ラヴェルの「ラ・ヴァルス」。
まさに難曲ばかりのプログラムだったけれど、余裕綽々。
「ラ・ヴァルス」はオーケストラでもよく聴くけれど、こんな凄いピアニストだったら
ソロで十分オーケストラを楽しめると思う。
若き天才ピアニスト ユジャ・ワン。堂々たる演奏ぶりに恐れ入った。

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