2017年4月16日(日)1:30pm
札幌コンサートホールKitara大ホール
Program
●J.S.バッハ(ブゾーニ編):コラール前奏曲「来たれ、異教徒の救い主よ」
(ヘス編):主よ、人の望みの喜びよ
●W.A.モーツァルト:ピアノ:ソナタ第8番 イ短調K.310
Ⅰ Allegro maestoso
Ⅱ Andante cantabile con espressione
Ⅲ Presto
●L.v.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調Op.110
Ⅰ Moderato cantabile molto espressivo
Ⅱ Allegro molto
Ⅲ Adagio ma non troppo
intermission
●E.サティ:グノシエンヌ第1番
●C.ドビュッシー:ベルガマスク組曲より「月の光」
●M.ラヴェル:水の戯れ
●F.ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調Op.22
●F.リスト:メフィスト・ワルツ第1番S.514
Encore
●L.v.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調「月光」Op.27-2
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まず、プログラム内容を見て実に多彩だなと思いました。昨日も「フランス音楽」を時代ごとに聴いて音楽史を勉強したような気持ちになりましたが、今日も時代を追ってのプログラム展開です。
バッハから厳かに始まりました。最初のブゾーニ編のは初めて聴きました。有名なヘス編と続き、素敵な組み合わせだなぁと感じました。モーツァルトのピアノ・ソナタ第8番もよく聴きますが、全楽章を楽しめるコンサートはあまり多くありません。今日はどの楽章も音の粒は勿論、装飾音が美しくて、構成美を感じる演奏に聴き入りました。前半の最後はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番。後期の作品3曲を含む10曲をこれから勉強しますが、近々弾いてみたい作品です。演奏会では色々なピアニストの様々な演奏を聴いていますが、近藤さんのベートーヴェン、良いですね。容姿はスリムなのに骨太な演奏で好きです。椅子の高さにとても拘っていらして、生徒さんに見習って欲しいと思いました。(笑)
後半はフランス音楽から。お目当てはラヴェル「水の戯れ」。やや穏やかなテンポで、はっきり・くっきり、そしてダイナミックに。26歳の時に書いた作品とは思えないほど完成された音楽だと思います。そして、計算つくされた響きに感動します。今回のリサイタルで圧巻だったのはショパンの「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」でした。これでもか!という程、難技巧が繰り広げられていく、とても華やかな作品ですが、余裕すら感じました。ブラボー!!え、この後に「メフィスト・ワルツ」弾くのですか?と驚きました。近藤さんによる演奏は2回目です。確か、前回もプログラムの最後の曲だったように思います。リストの作品の中でも特に魅力を感じる作品で、再現部のような遠くの方から再び始まる所が堪らなく好きです。爆発的な音楽の中に、そっとナイチンゲールがさえずる。鳥肌が立ちました!
programを終えて、「新しいピアノで、とても気持ちよく演奏できた」と近藤さん。演奏者が気持ちよく演奏できる事は、聴衆にとっても幸せな事ですよね。そして、アンコールは「月光ソナタ」全楽章でした!でも、周りの方たちはさして驚いていない様子で、それは当たり前みたいな雰囲気が漂っていた事に、私たちは驚きました。それにしても「月光ソナタ」が追加になったのです。なんだか得した気分でした。ありがとうございました!