試行錯誤のレッスン

朝早く電話が鳴って出ると、転校した生徒さんのご父兄からだった。発表会まで週末は余市に来るようにしたいのでレッスンして欲しいとのことだった。昨日は、新しい先生との2回目のレッスンだったようですが、ハンドベルの練習もあるし、本人のやる気に、お母さまの考えが大分変わってきたように感じました。急だったので、確認する程度のレッスンとなりましたが、ビデオを撮影もしました。リビングではレッスンの光景が見れるようにしてあるので、お母さま、お母さまの従妹、何故か生徒さんの転校先の友達とギャラリーが多く、緊張気味でした。来週はグループレッスン。それまで出来る事を、しっかり頑張りましょう。
2番手は、2週間ぶりに来た男の子。あれほど拍子弾きを徹底してレッスンしたのに出来なくなっていました。やはり家での練習は、レッスンした事をやらずに、楽譜を読まずに、読めないままピアノを弾くという行為になったようです。間が開いた分、すっかり忘れてしまっているし、出来なくなると泣く。一旦、泣き出すと止まらない。出来ないとすぐ泣くので、お母さまに相談したのですが、泣くというスイッチが入ったら、止まらないのだそうだ。しかし、グループレッスンでは泣かないし、学校でも泣かないのだそうです。個人レッスンでは甘えが出るのだろうか?悔しくて泣くのだろうけれど、泣くのは「逃げる事」ではないかと思います。泣くと、ほとんどレッスンになりませんから、泣く事によって現実から逃れたいのかも知れません。そして、泣いてスッキリするから、練習しない。そんな風に感じます。頭の良い子で小さい頃はスムーズに進んできましたが、だんだん難しくなるに連れ、諦めムードが漂って、伸び悩んでいます。この状態から抜け出して欲しいので、レッスンでは、ひとつの事にしぼってやりますが、それを家では復習しないというから回り状態。上手くいくときは上機嫌ですが、少しでも出来なくなると泣きます。この泣き癖を治すには、どうしたら良いのだろうか。何年教えてもレッスンとは難しいものだと、今日は、かなり凹みました…。
3番手は、ヘ音記号がなかなか読めない5歳の女の子。少しずつ読めるようになってきましたが、この時期は辛いのでしょう。読めないと弾けませんから。根気が要りますが、得意分野を生かして一緒に壁を乗り越えられるように、頑張るしかありません。先生は絶対あきらめてはいけないのですから。

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試行錯誤のレッスン への2件のフィードバック

  1. ひろみ のコメント:

    こんばんは、みかこさん。
    ご無沙汰しています。

    泣く子って私も何人かいます。

    先日、よく泣く子のお母さまがちょうど見学に
    見えたときにも泣き出したので、
    「そんなにつらいなら、このテキストは難し過ぎる
    のかもしれないですね、もしどうしてもイヤなら
    テキストを変えましょうか?」と。
    そしたら本人も母親も揃って
    テキストは変えたくない、って。

    どうして泣いちゃうんでしょう?と聞いたら、

    「注意されるのが嫌いなんです。この子は。
    家で一生懸命練習してきたのにうまく弾けない。
    本当はできるのに肝心の時に弾けないのが悔しい
    ので、つらいから泣いてるわけじゃないと思います」

    ああ、距離があるなあって思いました。

    その子は小学5年生。2年生から始めて、当初から
    ずっと泣いています。
    家での練習がうまくいっていない(本人は十分練習
    したつもりになっている)
    みかこさんの今回の生徒さんと全く同じ!

    いろいろ手を尽くしても、まだ足りないのかもしれ
    ませんし、年齢が上がるにつれ、すぐに泣くのは
    きっと直るだろうと思いますが、自信をつけさせる
    って大変なことだなあと痛感します。

    余談ですが、私のその生徒は、一度も発表会に
    出たことないのです。
    理由は母親からの「家庭の事情で」ばかり。
    本人も人前で失敗することを恐れ、それでパニックに
    なるのを家族がもっと恐れているみたい。

    典型的現代病?みたいですね。親も共稼ぎで、
    とにかく忙しい。でもピアノは好き、といっています。
    私もあきらめずに試行錯誤するしかありませんね^^

  2. みかこ のコメント:

    ひろみさん、お久しぶりです。

    泣くのもパワーが要ると思いますが、レッスンする上では困りますね。
    どこかでボタンを掛け間違ってしまったような練習をしてきます。
    それを指摘すると、恐らくは否定されたように感じて泣くのだろうと思います。
    ただ、そのままではいけないので、言い方の工夫と根気でしょうか。
    褒めると表情が明るくなりますので、レッスンの持って行き方を
    まず褒めてからとか、色々作戦を練っているところです。

    ピアノが好きという気持ちが在るのだから、よく考えてから練習したら
    ボタンもきちんと掛けられるようになると信じています。
    距離を感じる事は辛いですが、
    思っている事を伝えて少しでも縮めていきたいですね。
    ひろみさん、本当に試行錯誤の連続ですね。

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