「何回弾いてきなさい」というのが嫌いでレッスンで言わないようにしてきたのだけれど、苦手なパッセージや、難しい和音などは、ここは10回弾いてみようと言ってレッスンすると効果的だったりします。
練習しているうちに自然に暗譜
「はい、1回目。うん、惜しい」、「2回目、もう少しだね」、「はい、3回目。あらもう出来たでしょう」。なんて具合にやってみると、目が真剣になって10回も弾かないうちに出来たりする。
ただ曲を10回通して弾きなさいというのは、あまり意味がないと思う。個々のパッセージをいかに丁寧に弾くか。その積み重ねが「暗譜」にも繋がっていくのだと思う。「暗譜と暗記」ではまるで違う。
曲を分析して理解しないと暗譜はできない。調性判断も大切で、この部分は何調かが分かっていると暗譜はラクになってくる。暗記は、そういった分析をしないで、漠然と指で流れを覚える事だと思う。
途中から弾くのが苦手なはずだし、つっかえなければスムーズにいくけれど、途中でちょっとでもつっかえたり、左手の音が分からなくなると、途端に崩れる。暗譜しても楽譜を見て弾く練習は必要で、私は最初に練習する時、楽譜を置いてパッセージ毎に納得いくまで弾いていく方法をとっている。今日は1時間かけてこの練習をしてみたら、昨日より少し上達したように思った。
以前、TV放送でアムランのリサイタルに向けての練習の日々を追うドキュメンタリーを見た。あのアムランでさえ、リサイタル前日まで楽譜を置いて練習しているのだ。これは意外でかなり驚いた。驚異的な努力を重ねて、素晴らしい演奏ができるのだと改めて思い知らされた。私は、まだまだ足りないなぁ。
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