メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」が有名だけれど、リストはメフィスト・ワルツを4曲書いている。他に第4ワルツとして書かれた「調性の無いバガテル」、「メフィスト・ポルカ」という作品があり、第1ワルツの20年後、最晩年に「メフィスト」と名の付く作品を5曲書いたのだそうだ。これらの作品を聴く機会は滅多に無いのだけれど、この作品を全て録音しているのがカツァリスで、CDは随分前から持っていた。何度となく聴いては凄いなと思うばかり。今日、楽譜を4冊入手した。第1番だけのは、SCHOTT社(1,050円)、ヘンレ版(2,205円)、全音楽譜出版社(1,260円)は、野本由紀夫さんの解説が素晴らしく勉強になる。ムジカ・ブダペスト版(4,515円)は、全部の作品が載っていて、楽譜を見ながらCDを聴く事が出来た。カツァリスのCDの解説も野本由紀夫さんによるもので面白い。その野本さんがカツァリスの演奏は大変おもしろいと、おっしゃっている。なるほど、楽譜を手にカツァリスの演奏をじっくり聴くと、その素晴らしさ「読みの深さ」に驚嘆する。「メフィスト・ポルカ」では、リストの作品によく出てくる”ossia”(演奏者が好きな方で弾けるように)を右手で弾いて、本来の部分を左手で全部弾いているのです!それにしても、この曲を最初に聴いた時、「かえるの合唱」?!かと思いました。とても不思議で面白い作品です。
「メフィスト」は、リストが生涯好んで取り上げた題材とのことです。19歳の時にベルリオーズにゲーテの「ファウスト」を読むように勧められて以来、この題材に興味を持ち続け、46歳で「ファウスト交響曲」を書いているのですね。その後に着手したのが、レーナウによる「メフィスト・ワルツ」。これが有名な「村の居酒屋での踊り」で、その他の5曲はレーナウとは関係ないとのこと。
函館旅行の時に、はじめさんが「メフィスト・ワルツ」ばかり入っているもの作って、聴きながら走ったのだが、奇妙な事ばかり起きた。一番怖かったのは、夜、恵山へと向かう時だった。道路に黒い大きな猫が死んでいた。わっ!と思ったすぐその後に髪の真っ白な老婆が道にうずくまっていたのだ…。これ以上聴いていては、命が危ないから止めておこうと言って、ショスタコに切り替えた。何かを吹き飛ばしたい時はショスタコの5番と決めています。はじめさんは、忘れ物を2度もして家に戻ったのも「実はメフィストのせいだ!」と言っていますが、それは違うと思いますよ。(^^;
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