1996年2月10日。昨夜の舘野先生のピアノリサイタルの打ち上げからホテルへ戻り、眠ったのは2時。翌朝は6時半に起きて、8時45分集合。フィンランドへ来て初のバス観光。バスは快適に走ります。右はフィンランドの中距離走者パーヴォ・ヌルミ選手の像です。
ヘルシンキから北に100キロほど離れた小都市ハメーンリンナの街にあるジャン・シベリウスの生家です。子供の頃はヤンネとよばれていたそうです。14歳の頃からヴァイオリンを始め、シベリウスにとって最愛の楽器となり、ヴァイオリンを持って森へ行き、ヴァイオリンを弾きながら森の中をさすらったそうです。シベリウスのピアノ曲「樅の木」を弾いていると、風の音や森の静けさが感じ取れます。
イーッタラグラス工場。イーッタラ(iittala)のガラス製品がもつ純粋な輝きは、「森と湖の国」フィンランドの大自然の中から生まれているのですね。
憧れのアイノラへやってきました。舘野先生が迎えてくださって感激。アイノとはシベリウスの妻の名前で、ラ場所を意味します。シベリウスが50歳の誕生日に国民から贈られたピアノで、舘野先生の演奏が始まりました。その音色は、シベリウスの魂の音のように感じられ深く心に染み入りました。生きていて良かったなぁと思いました。大感激です!右は庭にあるシベリウスのお墓。
演奏会の後、先生が「弾いて良いよ」とおっしゃってくださいました。恐れ多かったので、少しだけ触らせてもらいました。そして、皆で一緒に夕暮れの庭を歩きました。歩くとキュッキュッと雪の音がしました。
シベリウスは水道の音を嫌っていたそうです。外には井戸がありました。1957年に亡くなるまでここで暮らしていたのです。晩年は全く作曲をしなかったそうですが、本当なのでしょうか。
昨夜はフィンランディアホールでリサイタルでお疲れのところ、今日はアイノラで私たちのために素晴らしい演奏を聴かせて頂きました。なんと、この後さらに先生のお宅でホームコンサートがあるのです。こんなに素敵な夢のような事がいっぺんにあって、良いのだろうかと思うほどです。先生、本当にありがとうございます。