不思議な力を持っている人

西新井大師の名物「草団子」。箱にぎっしりと、ふっくらと柔らかい草団子が入っていて、粒あんもたっぷりと入っています。串に刺さっていないのは珍しいと思いましたが、大沼だんごのようなイメージです。

最初で最後の訪問

はじめさんが生まれ育った足立区の西新井大師を訪れたときに初めて名物の草団子を食べました。出来たてのお団子を試食させてもらいましたが、びっくりするほど美味しかったです。この草団子をお土産に、はじめさんのお祖母さんに会いに行きました。

そもそも、はじめさんとは不思議な縁で結婚しましたが、見えない不思議な力が働いていたように思います。それはお祖母さんと亡くなった義母の存在だと思いました。

満州から奇跡の脱出

はじめさんの祖父は満州鉄道に勤務するために家族で満州に赴任したそうです。義母は50歳で亡くなったので会ったことがありません。満州での暮らしのことは、はじめさんも詳しくは知らなかったようです。

敗戦で満州から引き上げてくるときは命からがら、ほとんど奇跡のような脱出だったようです。近隣の中国人の協力もあったようですが、一番はお祖母さんの直観だったといいます。可愛い女の子が3人一緒だったので気が気ではなかったことでしょう。

圧倒的な存在感

お祖母さんを訪ねたとき、お祖父さんはちょうど出掛けていました。キリッとしたお祖母さんで、全ての孫の祝儀に10万円を包むのだそうです。私たちはお茶をいただき、お祖母さんは小さいビールを飲みながら、たくさん話されました。とても饒舌で話が途絶えることはありませんでした。

話を聞きながら、やはり只者ではない存在感があり、きっとこのお祖母さんの不思議な力と亡くなった義母が出逢うはずもない我々を出逢わせたのだと直感しました。聞けば伊藤博文が知り合いだったり、菊の御紋が入った煙草を吸っていたようです。

風のような人

お祖母さんに別れを告げて帰ろうとしたときに、お祖父さんが戻ってこられました。スラリとしたイケメンです。美男美女のカップルだったのでしょう。3人の娘さんも綺麗な人ばかりで、亡くなった義母の若い頃の写真を見ると夏目雅子さんのような美人でした。

「駅まで送るよ」と夕暮れの道をお祖父さんと一緒に歩きながら束の間のお話が出来たのが嬉しかったです。風のような人だなぁと思いました。

あの後にすぐお祖母さんが亡くなって、後を追いかけるようにしてお祖父さんも亡くなったので、会うことができて良かったと思いました。満州から引き上げるとき中国人が協力してくれたのは、普段から中国人たちに優しくしていたからだと聞きました。

満州といえば餃子


はじめさんの家では月に一度「餃子の日」というのがあったそうです。義母の作る餃子は天下一品で、ひたすらに焼き続けて自分は食べる暇もなかったのだとか。育ち盛りの2人の息子と、10歳年上の義父の3人が美味しそうに餃子を頬張る様子が目に浮かびます。

たまたま「餃子の日」に、はじめさんの友だちが訪ねてきたことがあって、餃子しか出てこないので驚いたようですが、凄く美味しくて友だちは大満足だったようです。私も食べたかったなぁ。

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