仏さまを思わせるような優しい笑顔に何度救われただろうか。
お世話になっていた「心穏やかな人」が亡くなった。昨年の秋、発表会が終わって会ったのが最後となってしまった….。遠慮せずにお見舞いに行くべきだったと、はじめさんと共に後悔している。あまりにも早い訃報に今朝は愕然として、たまたまレッスン休みで良かったと思った。
シベリウスやグリーグの音楽を愛し、奇跡的に一緒に聴いた舘野先生による、グリーグとラフマニノフ2番のピアノコンチェルト。休憩中に、はじめさんは「Kさんが、ひとっ言も話さない。真っ赤な顔をして、怒っているようだ」と言うので、えっ!?と、びっくりした。怒った顔など見た事が無いからだ。帰りの車の中で、「生演奏で、しかも舘野先生の演奏で、大好きなグリーグのピアノコンチェルトを聴いて、もう大変感動して興奮してしまった」と聞いて、本当に一緒に聴けて良かったなと嬉しく思った。
活字を読んでいないと生きていけない程、大変な読書家で、家は本で本でいっぱいだった。もうあの優しい笑顔を見る事も、穏やかに話す声を聞く事も出来ないと思うと、寂しい….。最後は笑っているような穏やかな顔で、ご家族が看取る前に亡くなったと聞いた。いかにもKさんらしいなと思った。
心からご冥福をお祈りします。