血染めの鍵盤

先日、レッスンが終わってから近くのスーパーへ買い物へ行った。普段は、挨拶だけで話したことのないレジの人が「こうやって普通に暮らせるのは、どれだけありがたいことなのだろうって思いました」と、しみじみと語りかけてくれました。本当ですね。レッスンも普段と同じに行っていますが、大人の生徒さんとは「毎日、胸が痛みます」という会話から、ようやくレッスンしています。子供たちは元気にやってきて、笑顔を見せてくれるので励まされる思いです。そして、こうしてレッスンできるありがたみを改めて思い知らされます。今、自分にできることは、笑顔で来る生徒さんたちに一生懸命レッスンをすることだと思うのです。

久しぶりに教室にやってきたHちゃん。先月、生まれた妹のYちゃんも一緒だった。目がHちゃんに似ていて、不思議そうに私を見ていたのが印象的だった。レッスンの最後の方でグリッサンド奏法が出てくる曲をHちゃんは弾いたのだが、鍵盤を見てびっくり!血で赤く染まっていた!!5歳の女の子が痛いとも言わず、泣きもせず、指から血を流しているのを見てこちらの方が慌てた…どうやら家でも血を流したらしい。グリッサンドは軽く弾くのがコツだけれど、指が赤くなったり痛くなったらゼスチャーだけでもいいよと言っています。たしか「スオミ」では、痛かったら手袋をして弾いてねとか、そんな教えだったと思います。
「血染めの鍵盤」というと、リヒテルの事を思い出します。コンサートで弾いたピアノ、鍵盤が重かったようで、リサイタルの後、鍵盤は血で染まっていたとか。でも、文句ひとつ言わなかったと担当の調律師さんが語っていました。

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