実は、家を出る時まで三大ピアノ協奏曲の曲目を知らないままでした。チャイコフスキーとラフマニノフ2番と、もう1曲はショパンかグリークだと思っていましたが、ベートーヴェンの「皇帝」で私は嬉しかったです。心配だったP席後方でのピアノの音も、清水和音さんだからなのでしょうか、キタラの音響が良いのもあると思いますが、とても聴きやすく、手元もよく見えてホッとしました。
目次
美しいピアノの音に魅了される
2022年4月17日(日)14:00
札幌コンサートKitara大ホール
ピアノ:清水和音
指揮:梅田俊明
管弦楽:札幌交響楽団
PROGRAM
●ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」
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●チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23
●ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18
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コロナ渦ですが、マスクを着用し、声を発しないクラシックのコンサートは感染リスクが少ないとして、オーケストラ側のP席まで、かなりお客さんで埋まっていました。チケットを取るのが遅かったこともあり、P席の後ろの方で聴きました。会場全体を見渡せる席でした。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」
第1楽章 / アレグロ 変ホ長調
第2楽章/ アダージョ・ウン・ポコ・モート ロ長調
第3楽章 / ロンド・アレグロ、マ・ノン・トロッポ 変ホ長調
ベートーヴェンが「皇帝」と標題を付けたものではありませんが、堂々とした序奏から煌びやかで力強いピアノが特徴で、1度聴いたら忘れられない旋律です。はじめさんは、この曲の良さが分からず、同じことを繰り返していて単調だといっていました。分かっていないなぁ。無駄な動きが全くなく、軽々とピアノを弾く清水和音さん。貫禄の演奏でした。
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23
第1楽章 / アレグロ・ノントロッポ・モルト・マエストーソ-アレグロ・コン・スピーリト
第2楽章 / アンダンティーノ・センプリチェ-プレスティッシモ-クアジ・アンダンテ
第3楽章 / アレグロ・コン・フォーコ
20分の休憩がありました。ピアノ協奏曲の中でも特に人気が高いのは、冒頭の管弦楽が文句なしにかっこいいからだと思います。ピアノとオケの掛け合いが面白い作品なので、オケ側の席に座っていると、清水和音さんがオケを見ながら寄り添ったり、ダイナミックに演奏されたり、目が離せませんでした。はじめさんも「これは面白い!」と身を乗り出して聴いていました。
チャイコフスキーはロシア人ですが、ウクライナとに祖先を持ち、このピアノ協奏曲はウクライナ民謡からテーマを変化させて書かれました。チャイコフスキーゆかりの街がロシア軍によって破壊され、悲しい想いで聴きました。戦争は本当に愚かな行為で何ひとつ良いことなどありません。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18
第1楽章 / Moderato ハ短調
第2楽章 / Adagio sostenute ホ長調
第3楽章 / Allgro scherzando ハ短調~ハ長調
チャイコフスキーから休憩なしで演奏が始まり、客席も驚いていた人が多かったです。ラフマニノフの第2番は、ピアノ協奏曲の中で私は1番好きな曲です。冒頭のピアノソロは何度聴いても鳥肌が立ちます。そして、この曲は最もロシアを感じる作品でもあり、聴きながら涙が出ました。
曲の最後に向かって指揮者である梅田さん燃えるような指揮で盛り上がり圧巻でした。ブラボー!とは叫ばないかわりに、大きな拍手がずっと続きました。ピアノ協奏曲という大作&難曲を、軽々と演奏してしまう清水和音さんに、ただただ驚かされました。
拍手に応えてアンコールが演奏されました。すぐにショパンのノクターン第10番だと分かりました。自分ではあまり弾きたいと思ったことがない作品ですが、優しく語りかけるような音に癒されました。うっとりとして聴き入りました。ますます拍手が鳴りやまず、もう終わりですよと照明が付いても拍手が続きました。
熱気のある会場から出ると、「いいコンサートでしたね」とお客さんが口々にいっていました。本当に素晴らしい感動的なコンサートでした。やはり音楽はいいものですね。
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