マルティン・ガルシア・ガルシア ピアノ・リサイタル

昨年ポーランドで行われた第18回ショパン国際ピアノコンクールで第3位となったスペインのマルティン・ガルシア・ガルシアさんのピアノ・リサイタルに出掛けました。

オールショパンプログラム

2022年6月1日(水)
札幌コンサートホールKitara大ホール
ピアノ:マルティン・ガルシア・ガルシア

program

●バラード 第1番 ト短調 Op.23

●即興曲 第3番 変ト長調 Op.51

●バラード 第3番 変イ長調 Op.47

●ノクターン 第7番 変イ長調Op.27-1

●ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53《英雄》

intermission

●3つのマズルカ Op.50

●24の前奏曲 Op.28より
第17番 変イ長調 / 第19番 変ホ長調 / 第23番 ヘ長調

●ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58

Encore

●ラフマニノフ:「サロン小曲集」から ロマンス 作品10-6

●ショパン:ワルツ 第4番 作品34-3

●リスト:即興的ワルツ S213

●ショパン:ワルツ 第2番 作品34-1

終始、歌に溢れていたピアノ・リサイタル

ショパンコンコールでも他の演奏者との違いは、まるでコンクールだということを忘れてしまうような歌に溢れた表情豊かな演奏でした。実際、ずっと歌いながら演奏していました。

颯爽とステージに登場。ニコニコスマイルでお辞儀すると、客席のあちらこちらから「可愛い~」という声が。ガルシアさんは、すぐに弾き始めるタイプのピアニストではありません。じっくりと間をとって、深い第一音が鳴り響きました。バラード第1番から始まる極上のプログラム。

信じられないくら軽やかで美しい音。風のような速いパッセージに惹きつけられます。そして、決め所でのFFが心地良い。

ショパンコンクールを聴いていなかった はじめさんは、あまり期待していなかったようですが、すぐに好きなタイプのピアニストだとわかり、身を乗り出して聴いていました。

軽やかで優雅、そしてダイナミック

休憩を挟んで3つのマズルカから始まるのが効果的だなと思いました。24の前奏曲からも3曲。そして、ピアノ・ソナタ第3番へと繋がるプログラムは面白かったです。

歌に溢れた第3楽章がこの世のものとは思えないくらい美しく、まさに天井の音楽。そこから第4楽章への繋がりが見事。柔らかいタッチでゆっくり目に入っていくのが意外でした。

それにしても、このフィナーレはカッコよすぎて大好きです。3番はいつか挑戦してみたい。母はベートーヴェンのようだとよくいっていました。ショパンは優しくエレガントな曲を書いた作曲家というイメージを持っている人が多いのかもしれません。

フィナーレのフィニュッシュはバラード第1番のコーダの最後の方でもそうでしたが、一音一音をしっかりと際立たせて、存在感を持たせての演奏。これはとても勉強になり、私も身を乗り出して聴き入っていました。

素晴らし過ぎた!

いつまでも聴いていたい最高のアンコール!


これだけのプログラムの後だからアンコールは無しか、1曲と思っていましたが、まさかの4曲。このアンコールがまた素晴らしかった。(素晴らしいとしか言いようがないのでした)

1曲目はガラリと雰囲気が変わりました。誰の曲か分かりませんでしたが、翌日キタラのホームページで発表になりました。なんとラフマニノフの小品だったのですね。今日、楽譜を探してみたところ、持っていたので、ちょっと弾いてみたいと思いました。素敵な曲です。

猛スピードで演奏された猫のワルツは、何度も弾ているあのワルツと同じ曲なのかと驚きました。

3曲目の曲はリストかなと思いましたが、曲は知りませんでしたが、お洒落な曲でした。

まさかの4曲目はワルツ第2番。感動して涙が溢れていました。

久しぶりに胸が熱くなる演奏に出逢えて感謝です。テンポコントロールが見事で自由自在。ピアノという楽器の魅力を最大限に引き出してしまうガルシアさんの演奏に脱帽です。

心から感動しました。また聴く機会があったら東京でも大阪でも行って聴きたいと思いました。でも、できればまたキタラへ来てください。

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