いよいよ2024年最後の一日となりました。歳を重ねるにつれ、大忙しで日々が過ぎていくように感じます。
毎日の積み重ねに細やかなシアワセを感じる
昨夜、役所広司さん主演の映画『PERFECT DAYS』を観た。東京都のトイレの清掃をする日々は毎日、規則正しい繰り返し。一見、淡々とした日々を生きているようにみえて、その毎日は二度とはない毎日。その日に起きたことが走馬灯のように描かれていく。
世界3大映画祭の1つ、フランスのカンヌ映画祭で『PERFECT DAYS』の演技で役所広司さんが最優秀男優賞を受賞されました。改めて役所広司さんの演技力に魅せられました。
アンドレ・ワッツの訃報を知った夜
映画を観た後、ワッツのことが気になって検索すると、昨年7月12日に77歳で亡くなったことを知った。PMFでも発表しているのに、何故気が付かなかったのだろう。知りたくなかったのかもしれない。
2013年11月に東京のオペラシティでワッツのリサイタルを聴くために旅行の計画を立てていたところ、転倒による手の怪我で公演は中止なったが、また聴けると思っていた。
2009年7月20日、PMFのコンサートで聴いたのが最後となった。この日は演奏会後に「Meet the Artists」への招待がありましたが、少人数の枠に入れてくださり感激しました。そして記念撮影まで!
翌日も札幌芸術の森 野外コンサートでド迫力の「皇帝」を聴けると思っていたのに、雨天で中止になった。それでも、また聴けるだろうと思っていたのだ…。
ワッツが来日したときは可能な限りコンサート会場へ足を運んだ。札幌は勿論、東京にも大阪にも。高校生の時に初めてリサイタルを聴いて、レコードも素晴らしいけれど、生の音はこんなにも素晴らしいのかと心から感動した。次に札幌でコンサートがあるときは真っ赤な薔薇の花束を渡そうと思っていた。そして、何年か後に花束を渡すことができた。ワッツさんは目をクリクリさせて「どうも、ありがとう」といって受け取ってくれた。とても大きな手でした。
二度とない毎日が続いていく
最近、はじめさんは「判で押したような」が口癖だ。しかし、昨夜観た『PERFECT DAYS』の毎日の積み重ねに細やかな幸せを感じた。同じような繰り返しでも、二度と同じ時間はないのだと思う。それはピアノ演奏と同じ。リピートがまさにそれ。リピートは同じ箇所を繰り返すという意味だけれど、決して同じことを演奏するわけではありません。音楽は時間芸術。時の経過と共にニュアンスが変わっていくのだと思います。
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