疾走するモーツァルト

先日の日曜日、一番遠方から来る大人の生徒さんに、レッスン回数が少ないので他の生徒さんより早く発表会の曲を決めた。湯山昭さんの「音の星座」より”疾走するモーツァルト”を一押しで薦めたら、とても気に入ってくれたようで嬉しかった。もう1曲「クロワッサンの月」も用意していたのだが、やはり予想通りでした。

駆け抜けて行く哀しみ

この曲集の数少ない短調の曲で、タイトルも何だか気になりますね。ちょっと弾いてみたら、すぐにモーツァルトの交響曲第40番ト短調だって分かります。「疾走する悲しみ」あるいは「駆け抜けていく哀しみ」と言われているところから、このタイトルが付いたのでしょうか。

中学1年の時に親に(今、思えばとても高い)ステレオを買ってもらって以来、毎月のお小遣いで2枚のレコードを買うのが楽しみだった。周りにはクラシックを聴く友達は居なかったが、担任が音楽の先生だったのもあり、よくお薦めの曲を聞いたりしたものだ。ピアノ曲が多かったけれど、オーケストラを聴くのも好きでモーツァルトの交響曲40番&41番「ジュピター」のカップリングで指揮はカラヤンのを選んだ。私は担任に「40番の第3楽章を聴いていると、嫌な事や悲しい事があっても吹き飛ばしてくれるような、なんだかファイトが湧いてくる曲ですね」と話したら、お昼の放送でまさにそれがかかり、先生はニヤッと笑った。私たちより一回りくらい上の若い先生だった。O先生、お元気でいらっしゃるでしょうか?

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