中学校の期末テストが近づいているようで、レッスン開始と同時に「あまり練習していません」という台詞を聞く。中には、ピアノに向かうと、つい夢中になってしまうから困るという生徒さんも居る。「じゃぁタイマー仕掛けて練習してみたら?」と言うと、「なるほど~」と頷いたりして微笑ましい。しかし、春には部活動とピアノは両立できないから辞めると言って説得するのに大変だった。心身ともに慣れないから心細くなるのだ。今はすっかり慣れて、あの頃の不安が嘘のようだ。「練習していません」と言っていたのに、ソナチネ全楽章の他にプレインベンションもよく練習している。きっと勉強も頑張っているのでしょう。
テストが近づいてくると、大抵の生徒さんはレッスンとぶつからないか心配しているけれど、以前、男子生徒にピアノの練習は日課なのだし、テスト中だからと言ってレッスンとぶつかってもスケジュール通りにお願いします。と言われた事があって驚いた事を思い出す。男子で高校を卒業するまで続けたのもM君だけ。バレー部のキャプテンも務めていたのに立派だなと思った。
一昔前は、高3まで続ける生徒さんが多かったけれど、今は小学生でも続けるのは難しくなっている。子供が続けたいと訴えても、それほど練習熱心でないからと親御さんが辞めさせるケースもあって、個性的なピアノを弾くKちゃんも今は中断している。いつでも復帰できるように家での宿題を出しておいたけれど、レッスンに通わなくてもピアノを弾いているのだろうか?