イメージ

新しく入ってきた中学生の女の子は流暢なピアノを弾く。
そこはどんなイメージなの?と聞くと
「イメージ?!」と驚いたような表情になり、こちらも驚かされる。
どうやら、曲に対するイメージを持ったことがないと言うより
考えた事もないようだ。でも、本当にそうなのだろうか?
そこは空気がいっぱい入って膨らんでいく感じ、そして、徐々にしぼんていくように。
幽玄的にゆらめいて、などなど言ってみると、すぐに音になって返っくるのに。
「譜読み」が早いけれど、もしかするとそこで○をもらっていたのかも知れない。
「譜読み」の先が、ここからが面白くて難しいところだからねと言うと
笑顔で「はい」と返事。
昨年はこの事で考えさせられる事があった。
転校で入ってきた中学生の女の子が「今までは誉められてきたのに!」と
ひどくプライドが傷ついたと言ってやめてしまった。
ヒステリックに怒ったりなどしたわけでもない。(これは大嫌い)
上手いねと言われていたのに認められなくなったからだと、その子は言った。
恐らくは「譜読み」=○にはならなかったからなのだと思う。
人間対人間のレッスン。本当に難しい。

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