今日はレッスンのスタートから、重たい空気に包まれた。反抗期は誰にでもあると思うけれど、もうかなり長いのだ。まず返事をしない、聞かれた事に答えない、やっと答えても聞き取れないくらい微かな声で言う、終始怒っているような仏頂面、苛立っている、などなど。しかし、レッスンに来るということは、ピアノを習いに来るわけで、その子は何をしに来ているのだろう?聞いてみた。やはり無言である。
自分と戦っているのかも知れない。見ていると、どうしていいのか分からないという、苛立ちが伝わってくる。長い事、ピアノ教師をやっているが、小5、6年の女子に多いのだ。
最後の高校生は進学校に通いながら、部活も勉強も一生懸命、ピアノの練習も上手だ。素直でレッスン展開がスムーズ。ウィットに富んだ会話でクレーバーな演奏をする。ただ進むことより極めたいというタイプで、自身の考えを私に言う。そういうところが、とても好感が持てる。しかし、そういえば彼女も小6の頃は同じような事があったなと思い出した。やはり難しかったのだ。そして、中学に入って辞めてしまったのだが、1年経って戻ってきたという数少ない生徒さんである。戻って来た時は、以前のような反抗的な感情は全く見られなくなった。
反抗期の生徒さんのレッスンは神経を倍使う。言葉も慎重になるし、あまりにも酷い態度でいたら注意をしなくてはならない。私も反抗期はあったと思うが、ピアノ教室まで持ち込んでいただろうか?人それぞれだと思うけれど、もしかすると学校ではそういう態度を見せずに、ピアノ教室で何か解決の糸口を見つけようとしているのかも知れない。「せっかくの可愛い顔がもったいないよ。せめて挨拶はスマイルでね」と柔らかく言って帰すのだが、来週は良いレッスンが出来ますように。