ショパンコンクールが終わってから、3年連続でガルシア・ガルシアさんのピアノリサイタルを聴く機会に恵まれ感謝しています。今年も最高の演奏を聴かせていただき、大興奮のリサイタルでした。
2024年11月8日(金)18:30開演
札幌コンサートホール kitara 大ホール
ピアノ:マルティン・ガルシア・ガルシア
Program
F.Chopin(F.ショパン)
●ポロネーズ 第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」
●即興曲 第1番 変イ長調 Op.29
●即興曲 第3番 変ト長調 Op.51
●即興曲 第2番 嬰ヘ長調 Op.36
●幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
●ソナタ 第1番 ハ短調 Op.4
intermission
F.Monpou( F.モンポウ)
●ショパンの主題による変奏曲
I.Albeniz( I.アルベニス)
●ラ・ベガ(草原)
●「イベリア第3集」より エル・ポーロ、ラヴァピエス
前半はオールショパン /ソナタ第1番を熱演
今年も颯爽とステージに登場したガルシアさん。ニコニコ笑顔が素敵です。前半のオールショパンの最初は「幻想ポロネーズ」から。ショパンの晩年の傑作です。すぐに歌いながら演奏されるガルシアさん。ピアノの横に置いてあったマイクは、歌いながらの演奏をレコーディングしていたのでしょうか。ゆったりとしたテンポで幻想的な演奏が心地良かったです。
続いて即興曲全曲。演奏順は3番と2番が入れ替わっていました。4曲目の有名な「幻想即興曲」で、会場の3分の1くらいの聴衆から、ようやく知っている曲というような雰囲気が漂っていたのを感じました。
続くソナタ第1番は滅多に演奏されることがありません。急・急・緩・急の4楽章型式で2番と3番も同様ですが、とても大きな作品です。途中で拍手するお客さんも居ましたが、拍手はピアニストが立ってから拍手するようにしたら間違いありません。ソナタ全集にも組み入れられない第1番ですが、汗をふきふき熱演されるガルシアさんの演奏に惹き込まれました。
多彩な響きに圧倒される
後半は、ガルシアさんのお国であるスペイン音楽です。フェデリコ・モンポウの「ショパンの主題による変奏曲」から。若い頃にモンポウの楽譜を在るだけ買い求めたことがあり、この作品の楽譜を持っていて弾いたことがあります。前奏曲イ長調Op.28の第7番に基づいていますが、幻想即興曲の中間部が登場したり、映画音楽のようでもあり、なかなか面白い作品です。
続いて、スペイン民族音楽の影響を色濃く受けた作風で知られるイサーク・アルベニス。「草原」という曲は初めて聴きました。スペインの大地を駆け巡る風を感じながら聴き入りました。大曲だったので、はじめさんは「イベリア」まで弾いたのかと思ったようでした。
超難曲として知られる「イベリア」。全曲を取り上げるピアニストはなかなかいませんが、ガルシアさんなら、いつか全曲取り上げるかもしれないですね。エル・ポーロ、ラヴァピエスの2曲が超絶テクニックで目が離せなかった。「エル・ポーロ」の熱演後に拍手するお客さんが多かったですが、応じずに「ラヴァピエス」に突入。私は急にお腹が空いてギュルギュルっと鳴って会場に響き渡るような音が鳴り申し訳なかったです。ガルシアさんの演奏を聴くと、お腹が空くのです。とにかく凄まじかった!
いつまでも聴いていたいアンコール
演奏終演時間が20時45分と記載されていたのが不思議でしたが、これまでの経緯からアンコールが止まらなくなるからなのかもしれないと思いました。真っ赤なハンカチを持って闘牛士のように登場するガルシアさんに爆笑。それにしても、アンコールで演奏するような曲ではないような、まさに第3部に突入した感じでした。
深々とお辞儀をするガルシアさん。会場の雰囲気から次は何を弾こうかと模索しているのでしょうか。2曲目はリストのハンガリー狂詩曲 第10番でした。この作品を勉強したことがあるので、すぐに分かりましたが、ガルシアさんの手に罹ると超難曲に聴こえます。そして、何故ガルシアさんの演奏に惹かれるのか。子供の頃から大ファンだったアンドレ・ワッツの演奏を彷彿するからなのだと思いました。まるで大好きなオモチャに向かうように楽しそうにピアノを弾くガルシアさんと重なります。
午後9時近くまでアンコールが続きました。きっとキタラが止めなかったら、まだまだアンコールに応えてくれたのかもしれませんが、この後はサイン会もありましたから。今宵も心から感動したコンサートでした。10本の指を駆使して奏でられるガルシアさんの演奏は本当に素晴らし過ぎました。また来年も北海道に来てください!
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