3月22日(金)の小林愛実さんのコンサートを聴いて、ロビーを通過して帰ろうとしたときに、目に留まったチラシ。卒業してから一度もお会いしていませんが、専攻科を終了してから東京藝術大学、さらに同大学院音楽研究科修士課程修了したのち、ドイツのフライブルクに留学されたそうです。
~春を告げる歌曲~
2024年4月7日(日)13:30分開演
ザ・ルーテルホール
ソプラノ:高橋節子
ピアノ:塚田馨一(よしひと)
program
● 山田耕筰:「風に寄せてうたへる春のうた」
Ⅰ. 青き臥床をわれ飾る
Ⅱ. 君がため織る綾錦
Ⅲ. 光に顫(ふる)ひ 日に舞へる
Ⅳ. たたへよ、しらべよ、歌ひつれよ
● ブラームス:「ドイツ民謡集」より Deutsche Volkslieder
一本の菩提樹が
あるヴァイオリン弾き
静かな夜
荒野の上を Op.86-4
想いに沈んで Op.86-5
私は夜中に起き上がりOP.32-1
生暖かい空気 Op.57-8
intermission
● ヴォルフ:ゲーテの歌曲集より Goethe-Lieder
花の挨拶
アナクレオンの葉か
めぐり来る春
メーリケ歌曲集より Mörike-Lieder
さようなら
捨てられた娘
春だ
● シェーンベルク:ー生誕150年を記念してー
「四つの歌」 Vier Lieder Op.2
1.期待
2.あなたの金色の櫛をください
3.高揚
4.森の日差し
encore
● ブラームス:5月の夜
● メーリケ:祈り
春を告げる歌曲に浸る
パープル系のステキなドレスに身を包んで笑顔でステージに登場の高橋節子さん。プログラムには全て歌詞が書かれていて、山田耕筰以外は全てドイツ語。高橋節子さんによる訳でした。ドイツに留学経験のある山田耕筰の「風に寄せてうたへる春のうた」から4曲。
最前列で聴いていた私たちは、高橋節子さんの声量にまず圧倒されました。勿論マイク無しです。そういえば在学中に歌科の人の伴奏を練習する際に、アパートでやったのですが、やはり物凄い声量で、すぐに学校へ移動して練習したことを思い出しました。
ブラームスには300曲もの歌曲があるのも驚きです。ブラームスのピアノ曲も素敵な作品が多いですが、歌曲もロマン派ならではの美しさに溢れドラマティックでした。
後半はブルーのドレスで
ヴォルフは全く知らない作曲家ですが、かのゲーテの詩に40曲作曲した「ゲーテ歌曲集」、牧師さんである詩人メーリケさんの詩に53曲も書いた「メーリケ歌曲集」から歌われました。
最後は、はじめさんが興味を示していたシェーンベルクの歌曲です。シェーンベルクというと無調で知られますが、「四つの歌曲」は初期の作品で、ロマン派の影響を受けているので、聴きやすい旋律でした。しかし、初期の作品とはいえ、シェーンベルクを感じる幻想的な歌が会場を包み、ピアニストの塚田馨一さんと息がピッタリの演奏に聴き惚れました。
5月の夜&祈り
在学中は、高橋節子さんとほとんどお話する機会がありませんでした。クラスは100名ほどの学生が一緒に授業を受けたり、専門分野にわかれてレッスンを受けていました。もっと無口な方かと思っていましたが、曲の解説を分かりやすく、チャーミングにお話されて、背景がわかり勉強になりました。
アンコールではブラームスの「5月の夜」を聴いて、5月に誕生日がきたら米寿を迎えられた母のことを想うと涙が溢れました。春を喜ぶ歌ではなく、孤独で悩ましい歌でした。いかにもブラームスらしい…!
最後は牧師さんで詩人でもあるメーリケの「祈り」。ゆったりとしたテンポのピアノの伴奏にのって、情感たっぷりに、そして厳かに歌われる高橋節子さんの歌に癒されました。それにしても、最前列の席だったから分かりましたが、2時間に及ぶ熱唱で汗が噴き出ていて相当なエネルギーを使うのだと思いました。お疲れ様でした。
演奏会の後、少しお話ができて嬉しかったです。同期の方の活躍は、とても嬉しく元気をたくさん貰いました。ありがとうございました。
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