2002 / 10/ 09-14

9日
朝 10:30 荷物とワインを5本積み込み、小樽港からフェリーに乗り込み北陸旅行への出発です。
今の車でフェリーに乗るのは初めて。これから19時間の船旅はどうなるのか、ちょっとドキドキしてました。
今回は10周年旅行という事もあって、少し贅沢の1等個室です。
部屋の中には空調や洗面台もあり、快適な船旅となりました。
船のなかでは、積丹半島を海から眺めたり、お風呂やサウナに入ったり、ワインで乾杯したりと、楽しくて、心配していた船酔いもなく、なんだかあっという間に新潟についてしまった気がします。
チーズや新鮮な野菜を切ってクーラーバックで持ち込み、部屋でオープンサンドを作って食べましたが、とっても美味しかったです。こんなことができるのも個室ならではです。2等との差額もわずかですし、お勧めですよ!
10日
新潟港着 朝の5:30。乗るときは別々でしたが、降りるときは同乗者も車に乗って良いとの事で、車で下船。さすがにまだ少し眠たかったですが、車のカーナビ君はもっと眠たかったのか、しばらく小樽港を表示していました。
飛行機での旅行と違って、船だと、「さぁ、ついたぞ〜」という感じがしてわくわくしますね。
しかもこれから私たちが目指すのは、信州蕎麦が美味しい戸隠!期待にお腹...じゃなかった胸が膨らみます。
戸隠は標高が高いので、紅葉も始まっていて、とても見事でした。
枯葉が舞う山道のドライブのBGMは、福田進一さんが奏でるギターのショパンがマッチしていました。

鏡池です。風のない日は、鏡のような池に景色が反映して、とても美しいのだそうです。
この日は残念ながら少し風が強かったです。
ん〜、気持ちいい!
お蕎麦は大好き。せっかく来たのだからと、おそば屋さんを二軒はしごしました。
写真は、一軒目「そば苑(ぞの)」です。店の造りも、お蕎麦も、とても上品なお店でした。
やっぱりこちらのお蕎麦は北海道のものより、色黒?で、如何にも「蕎麦」という感じ。
テーブルにポットで置いてある「苦そば茶」も美味しくて何杯もいただきました。
中社を少し散策してもう一軒。こちらは観光バスも停まる大型店です。上品では無いですが、不揃いの手打ち蕎麦はまさに田舎蕎麦の味と歯ごたえで、私好みです。
大型店だけあって、お土産も様々なものが置いてあり、楽しめました。
お蕎麦を食べた後、せっかくこちらへ来たのだからとお酒を買ってみる事にしました。
土産物でも売っていましたが、やっぱり酒屋さんで話を聞いてみようと、ぶらりと立ち寄った酒屋さんが、大正解。キムタクにどことなく似ているお兄さんが、語る・語る。
説明を聞いて、お酒が好きな人のお酒とやらを1本購入。旅行中にはついに飲む機会が無く、これからの楽しみとなりました。
戸隠でお蕎麦を堪能した後、山道を走り白馬へ抜けました。この日の目的地は宇奈月でしたが、宇奈月温泉は日帰り入浴のお風呂があまり無さそうなので、温泉を探しながら糸魚川に沿って再び海へ向かいます。途中小谷(おたり)の道の駅に温泉が併設されているのを発見。安くて気持ちの良い温泉でした。
温泉でさっぱりした頃になると、そろそろ日も傾き初め、日本海沿いを、夕日を見ながら宇奈月へ向かいます。のんびりではなく、少しだけスピードが出ていたのは、宇奈月地ビールのせいかもしれません。(^o^) なんと宇奈月の道の駅には、地ビール館が併設されているのです。道の駅で地ビールなんて!いいのかしら?と思いつつ、ほぼ貸切のお店でたっぷり飲んでしまいました。当然はじめさんが予約(無料)していた近くの墓の木公園キャンプ場(そもそも名前からして、私はここへは行きたくなかった...)へは行かず、道の駅でP泊。流れ星も流れる満点の星空の下、北陸一泊目は、最高の夜となったのでした。
11日
朝起きて、まだ墓の木キャンプ場に未練があったはじめさんは、コーヒーを飲むために、キャンプ場へ車を走らせます。う〜ん名前の通り、お墓がいっぱい....行かなくて良かったぁ。
キャンプ場としてはよさそうでしたが、やっぱりねぇ...
結局トロッコ始発の時間に間に合いそうも無いのでコーヒーも中止。反転して黒部峡谷鉄道宇奈月駅...つまりトロッコ列車の始発駅へ向かいます。
この駅の立ち食い蕎麦がまた、美味しかったです。はじめさんにとっては懐かしい味。私にとっては新鮮な味でした。
予定では、トロッコ列車は終点の欅平(けやきだいら)まで行くはずだったのですが、少し前の台風で落石事故があり、その影響で、途中までの折り返し運転になっています。旅行の出発直前にインターネットでそれを知っていましたので、船の中で予定を変更。トロッコ列車の目的地を黒薙温泉とします。折り返し地点はここよりもう少し先の出平(だしだいら)というところですが、出平では列車から降りられず、単に景色を見ながら往復するのも味気ないので、黒薙温泉ツアーとなったのでした。始発でお客さんは少なく、しかもバスツアーのみなさんは特別車に乗ったらしく、窓の無い普通車両はがらがら。黒薙駅で降りたのは私たちを含めて4人でした。(その後、時間が経つにつれ、朝のがらがらの列車は嘘のように混むようになるのですが、それでも黒薙駅で降りる人は無しか、居ても数人です)
トロッコ列車からの眺めは、別世界。もう絶景の一言です。昔は切符に「命の保証はありません」なんて書かれていたそうですが、今では安心して、景色を楽しむ事ができます。
黒薙駅は、峡谷の崖に張り付いているような駅です。峡谷と反対側に、黒薙温泉へ向かう道があるのですが、まるで崖をよじ登るかのような急な階段です。駅長さんに聞けば、そこが本来の道なのですが、それとは別にトロッコのトンネルを通っても行けるという話です。(実は、はじめさんはインターネットで情報収集済みでしたが、いずれにしても駅長さんに許可を貰わないと行かれないのです。)11時から列車が通るとの事で、それまでなら通っても良いと許可を貰い、トンネルの道を行くことにしました。左の3枚のうち最初の写真がその入り口。えーっ、ここを行くの?と、かなり驚いています。いきなり入り口に「通行禁止」の看板。それをくぐって、線路の上を歩いて行けというのです。
狭いトンネルをおぼつかない足取りでテケテケと歩いていくとほどなくトンネルが分岐しているところへ出ます。そこには、「ようこそ黒薙温泉 入り口」なんて書いてあるのですが、まだトンネルは続きます。今度は線路はありませんが、更に狭いトンネルです。駅から歩く事10分くらいでようやく黒薙温泉に到着しました。
お風呂は混浴の大露天風呂と女性専用の露天風呂と男女別内風呂。いっしょに黒薙温泉に降りた男性二人が先についているはずなので、混浴はパス!女性専用露天風呂へ入ることにします。
一見普通の露天風呂に見えますが...このお風呂がある場所が凄いです。何と川を見下ろす崖の縁にくっつくように造られているのです。「天女の湯」とかかれていますが、まさにその通り、空中露天風呂といった感じです。お湯の温度も熱くもなく温くもなく。丁度良い温度で、どんどんと新しいお湯が注ぎ込まれ、そして、湯船から溢れたお湯が川へ注がれていきます。澄んだ空の下、川の音を聞き、木々の間を鳥が飛び交うのを眺めつつ、ゆったりとお湯に浸かる。なんて素敵なところなのでしょう。「トンネルを抜けるとそこは素晴らしい露天風呂でした。」って感じです。
時間は9時頃。気持ちの良い朝風呂となりました。
お風呂上りに温泉たまごをいただいて、先ほどのトンネルを戻ります。
くろなぎ駅で出平から折り返して来た列車に乗り込み宇奈月へ戻るのですが、この時間ともなると結構混んでいます。駅長さんに空いている車両を探してもらって乗り込みました。
宇奈月駅に着いてみると、バス・バス・バス。人・人・人。朝とはうってかわって、超観光地と化した宇奈月駅で、始発列車に乗って良かったと、改めて思いました。
黒部川電気記念館で少しお勉強をして、びっくり。ここは造るのも維持するのも大変なんですね。
次の目的地はいよいよ能登半島。この日の宿泊地は、石川県民の森キャンプ場です。オートキャンプ場(風)でありながら、610円という安さ。輪島の朝市まで20分程度という距離が魅力のキャンプ場です。
欅平往復の予定が黒薙往復になり時間に余裕ができたので、国道を離れ、県道1号線を町並みを楽しみながら、のんびりと走ります。この方が海も見れるので、楽しかったです。途中この辺りの名物の話になったときに、ふと頭に「かまぼこ」が浮かびました。その途端、かまぼこの看板が次から次へと現れ、海岸沿いの滑川の道の駅でランチとなりました。ランチと言っても、道の駅売店で購入した蒲鉾を持って海岸へ行き、コーヒーを煎れてのシンプルなランチです。
そしていよいよ能登半島へ。海岸の景色も美しく、また道々のお店に立ち寄ってお土産を買ったりしながら走っていると、夕日が沈む時間となってしまいました。
穴水というちょっと変わった名前の町でお風呂に入り、結局キャンプ場へ着いた時は真っ暗でした。この日利用者は我々のみ。初めてのキャンプ場は勝手もわからず最初ちょっと怖かったです。だんだんと慣れてきて、ふと空を見上げれば、宇奈月より更に綺麗な星空。星降る夜とはこの事ですね。
12日
朝目覚めて改めて目にするキャンプ場は、とっても素敵な場所でした。
植えられている木々の一部は紅葉していて、場内は綺麗に整備されていて、また各サイトは使いやすい設計となっています。そして、私たちの他にはやはり誰も居ません。
今日は始発のトロッコに間に合わせる必要も無いので、ゆっくり起床。
受け付けで料金を払い、朝市の事を聞いて、9時ごろキャンプ場を後にしました。
輪島の朝市です。
朝市の駐車場が有料化されたとの事で、市役所の前の無料駐車場に車を停めて歩いて朝市へ向かいました。
漁港の朝市ということで、お魚が並んでいるのかなぁと思ったら、それだけでなく、輪島塗やら友禅染やら、漬物やらと予想を裏切る賑やかさです。北海道からあまり出ない私たちには珍しいものが沢山あって、朝市を端から端まで歩き終わる頃には、両手にいっぱいお土産を抱えていました。(^^;
ふと お財布の中身が心配になる輪島の朝市でした。(^^)
そうそう、お土産用に安いお箸が沢山売っていますが、あんまり安いものは輪島塗と書いてあっても漆じゃなくて、ウレタン塗装なのですって。でも本物は、お箸一膳3000円もしたりします。
探せば結構安くて良いものが見つかるもので、私たちは安くても漆の箸とお椀を手に入れる事ができました。(両方とも1000円以下でした。)
朝市を楽しんだ後、金沢へ向けて車を走らせていると、門前町という町で、ふと小さな看板が目にとまりました。「名水 古和秀水 3.xkm」...丁度ペットボトルの水も無くなってしまったので、これ幸いと、寄り道です。3kmとは言え、車1台がやっとの細い山道を登ります。対向車が来たら大変と心配しながらゆっくり登っていくと、見事な竹林。以前も書きましたが、北海道に竹林は無く、ましてやこんな自然な竹林を見るのは生まれて初めてです。いつもは、はじめさんが写真を撮る事が多いのですが、どうしても撮りたくなって、写真をパチリ。左の2枚は私が撮ったものです。
上が、古和秀水(こわしゅうど)の水汲み場周辺で、公園のようになっていてトイレもあり、駐車場もあるので、良いところです。下は行く途中の竹林です。
金沢に着く頃は3時を過ぎていました。
NHKの「利家とまつ」の人気や、たまたま金沢城公園で、よさこいソーラン祭りが開催されていた事などがあり、街はとても混んでいましたので、金沢駅の西口に車を停め、歩いて兼六園まで行く事にしました。それにしても、天気が良く、暑いくらいです。歩いていても汗が噴出してきます。
そして、兼六園までは思った以上に遠く、足が棒になりました。
兼六園もまた、人・人・人。公園は綺麗でしたが、情緒は...?
この暖かさでは、紅葉もまだほんの一部ですね。
金沢へはもう少し遅い季節、11月頃が良いかもしれません。
兼六園を後にして、長町武家屋敷あたりへ着く頃にはすっかり日も暮れてしまいました。
何かのポスターにもなっている武家屋敷跡。この時間では人も少なく。なるほどの情緒を感じます。ふと見上げた月までもが、古の時を思い起こさせるようです。

さて...今日の宿泊場所は....ここへ来て旅行の予定をはじめさんにまかせっきりにしていた事にとっても後悔する事になりました。何と、これから新潟まで走るというのです。新潟まで300kmもあるのです。一体何時に、そして何処に宿泊するの!?

後悔先に立たず、結局国道8号線をひた走り。途中温泉を見つけて入りつつ、2時を少しまわった頃、フェリー乗り場の近くの道の駅へ到着。ひやぁ疲れたぁ。
目覚ましをセットしてワインも飲まず、倒れるように寝ました。
13日
6時頃、道の駅で目を覚ますと、なんだか周りが賑やか。なんと朝市になっているのです。地元の人が次から次へと車でやってきて、なんだか寝ているのが恥ずかしい雰囲気。
仕方ないので、フェリー乗り場へ移動することにしました。このあたりは慣れたものです。埠頭の駐車場に車を停め、手早く椅子とテーブルを出して朝食。帰りのフェリーへ乗り込みました。
フェリーでは、今回の旅行について思い起こしたり、最終日の不手際について、はじめさんに蹴りを入れたりしつつ(冗談ですよ、おほほ)、小樽港着4:10分。5泊5日とちょっと。秋の北陸旅行の幕となりました。

戻る